9月7日から2泊3日で北海道・道東を巡ってきました。旅の始まりは釧路空港。レンタカーを借りて、細岡展望台・塘路湖・コッタロ湿原展望台を訪ねたのち、鶴居村にある「鶴居ノーザンビレッジホテルTAITO」に宿泊しました。2日目は霧多布岬から摩周湖へと移動し、夜は川湯温泉の「欣喜湯」でゆったりと温泉を満喫。最終日は屈斜路湖、阿寒湖、温根内、釧路市湿原展望台を巡り、釧路空港でレンタカーを返却して帰路につきました。総走行距離は約500kmのタフな内容です。
今回借りたレンタカーは日産ノートe-POWERです。とんでもなく燃費の良い車です。
ANA741便で13:05に釧路空港へ到着。空港で昼食を取る予定でしたが、改装工事中で思うようにいかず、レンタカーを借りて最初の目的地・細岡展望台へ向かいました。途中のコンビニでお弁当を買って腹ごしらえをしました。天気は終日曇りでした。
細岡展望台に到着し、広大な釧路湿原を一望しました。約29,000ヘクタールに広がる日本最大の湿原の壮大さに圧倒されます。
続いて、釧路湿原国立公園の東側に位置する塘路湖へ。湿原らしい静かな湖の風情を感じることができました。
初日の締めくくりはコッタロ湿原展望台へ。ここからの眺めはまさに圧巻で、釧路湿原の広がりを細岡展望台よりもさらにワイドに見渡すことができました。
宿泊先の「鶴居ノーザンビレッジホテルTAITO」には17:00頃に到着しました。本日の走行距離は83kmでした。1泊2食付きで13,450円とリーズナブルながら、シンプルでどこかメルヘン調のかわいらしい部屋です。エアコンが完備されていました。
ひと息ついた後は、ホテル自慢の温泉へ。鶴居村温泉は「美人の湯」と呼ばれ、褐色でとろみのあるモール泉。ヌルヌルとした肌触りで、ほんのり油のような独特の香りがあります。pHは9.19と高いアルカリ性で、源泉かけ流し。とても心地よく、旅の疲れをしっかり癒してくれました。
食事はまあまあそこそこという内容でしたが、地酒と一緒に味わいながらゆったりと楽しみました。
翌朝9:00にチェックアウト。幸運なことに、この日は一日中快晴に恵まれました。ホテルの外観も青空に映え、メルヘンチックでとてもお洒落です。
この日の最初の目的地は霧多布岬。ラッコとの出会いを期待しながら向かっていると、道中で思いがけずタンチョウを発見しました。まさかの出会いに興奮し、とても嬉しい気持ちに。幸運にも写真に収めることができました。
約100kmを走り、11:00頃に霧多布岬へ到着しました。霧の名所として知られる場所ですが、この日は快晴でした。
霧多布岬といえばラッコが有名ですが、実は眺望そのものも素晴らしいスポットです。
ラッコは水族館では鳥羽水族館に2頭いるだけで、野生では根室周辺から霧多布岬にかけて約50頭ほどしか生息していないとのこと。なかでも観察できるのは霧多布岬だけだそうです。そのため、多くの人が海面に視線を向け、ラッコを探していました。
やがて数人が海面を見つめていたので、「ラッコですか?」と声をかけてみると、「あそこにいますよ」と教えてくれました。視線を向けると、確かにラッコが海面にぷかりと浮かんでいます。慌ててiPhoneのカメラを最大倍率にして、動画を撮影しました。
ラッコ観察を堪能したあとはお腹も空き、霧多布岬からほど近い浜中町ふれあい交流・保養センター「ゆうゆ」へ向かいました。ここは霧多布温泉とレストランを併設しており、食事だけの利用も可能です。
そこでいただいたのが、この地ならではの「霧多布昆布ラーメン」。塩味ベースのスープに昆布と海藻がたっぷりのった一杯で、昆布・海藻好きの僕にはたまらない至福の味でした。
「ゆうゆ」を13:00頃に出発し、次の目的地・摩周湖へ向かいます。距離はおよそ110km。例えるなら、川越市から長野県の佐久市や小諸市へ向かうのと同じくらいで、関東では高速道路を利用しなければならないほどの距離感です。そんな長い道のりをこれから走ります。途中は、見渡す限り続く直線道路の連続でした。
15:00頃に摩周湖へ到着。ここでも天気は快晴。「霧の摩周湖」と呼ばれるほど、年間100日以上は霧に包まれるといわれる湖ですが、この日はまさに絶景。世界屈指の透明度を誇る湖面を、くっきりと眺めることができました。こちら写真は第1駐車場(有料)からの撮影です。
こちらの写真は無料の第3駐車場からの撮影です。
摩周湖を後にし、この日の最後に立ち寄ったのは硫黄山(アトサヌプリ)。標高505mの山肌は硫黄で覆われ、あちこちから噴煙が立ちのぼり、あたり一面に硫黄の匂いが漂います。本日宿泊する川湯温泉の源でもあり、迫力満点のスポットでした。
硫黄山は徒歩で近づくことができます。まさに凄い迫力です。
16:00頃、本日の宿泊先である川湯温泉「欣喜湯」にチェックインしました。部屋は畳敷きにシングルベッドというシンプルな造りで、エアコンはなし。その代わり、窓からは弟子屈町の雄大な自然を眺めることができます。
このホテルの自慢はなんといっても温泉。強酸性の火山性泉質で、pH1.7という驚くべき数値を誇り、「釘なら1週間で溶けてしまう」と言われています。浴槽は低温・中温・高温の3種類があり、湯は無色で味もなく、個性的な泉質を存分に楽しめます。
夕食は欣喜湯では提供がないため、系列の「別邸すいかずら」へ。徒歩5分ほどの場所にあり、バイキング形式で好きな料理を選んで楽しみました。お酒もフリードリンクで、料理もお酒もほどよくいただき満足。
翌朝の朝食は欣喜湯にて、シンプルながらも落ち着いた食事をいただきました。
欣喜湯を9:00頃にチェックアウトしました。こちらがその外観です。残念ながら、老朽化などの理由で欣喜湯は10月31日をもって休館となるとのことです。
最終日の最初の目的地は屈斜路湖。川湯温泉から車で約30分、和琴半島の駐車場に到着しました。まずは地元の方にクマの出没がないかを確認し、1周約2.5kmの和琴半島自然探勝路を散策します。
途中でエゾリスに遭遇しましたが、動きがとても速く、なかなかうまく撮影できませんでした。
やがて半島の突端にあるオヤコツ地獄に到着。大地から白い噴煙が立ちのぼる不思議な光景が広がります。半島の付け根には温泉の露天風呂もあり、自然の力を間近に感じられる場所です。
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、湖水の約8割が地下水からの湧水のため透明度が高く、その美しさに心を奪われました。
次に向かったのは阿寒湖です。屈斜路湖から約55km。地図上では近く見えますが、弟子屈町を経由する山道が続くルートで、到着まで約1時間かかりました。阿寒湖バスセンター隣の無料駐車場に車を停め、湖畔まで徒歩10分ほど。「ボッケ自然探勝路」を散策すると、途中で子鹿に出会うことができました。
1.2kmのコースを歩き終えると、水蒸気や泥湯が噴き出すボッケが現れ、不思議な光景に目を奪われます。
そこからさらに1.5km、湖畔沿いの「湖のこみち」を進みました。
カルデラ湖である阿寒湖は「マリモ」で有名で、湖沿いの遊歩道は心地よく散策できます。ただし、もうひとつの遊歩道「森のこみち」はヒグマの危険があるため今回は断念しました。
ちょうどお昼時になったので、阿寒湖温泉の繁華街にある「あずさ」で味噌バターコーンラーメンをいただきました。山盛りのコーンともやしが麺と絶妙に絡み、とても美味しく満足の一杯でした。
次に向かったのは、釧路湿原の温根内木道です。温根内までは65km、所要約75分。初日に宿泊した鶴居村を経由して向かいました。木道には40分コースと60分コースがありますが、歩き疲れで膝が少し痛かったため、今回は40分コースを選択。
平坦な木道からは、広大な釧路湿原をゆったりと眺めることができます。
木道はしっかりと整備されており、歩きやすいのも魅力です。
今回の旅の最後に訪れたのは、釧路市湿原展望台。温根内からは車で約10分です。
展望台は有料ですが、口コミ通り湿原の眺望はあまり良くなく少々がっかりしました。
また、遊歩道には「ヒグマ出没注意」の看板が立っており、今回は遠慮することにしました。
帰路は釧路空港へ向かいますが、レンタカーの給油のため釧路市街を経由。ナビに完全にお任せで進みました。16:30頃に空港でレンタカーを返却し、時間つぶしにビールを一杯。18:30発のANA4774便で羽田へ向かい、定刻より少し遅れて20:30頃到着。自宅には22:30頃に戻りました。
今回の旅の総走行距離は約500km。ガソリンスタンドでの給油は約20Lだったので、日産ノートe-POWERの燃費は25km/Lということになります。自分のBRZと比べると驚くような燃費ですね。
ラッコや思いがけず出会えたタンチョウ、釧路湿原や摩周湖・屈斜路湖・阿寒湖での雄大な自然、美しい天候に恵まれ、まさに最高の旅となりました。訪れた場所は、またいつか必ず再訪したい場所ばかりです。心身ともにリフレッシュできた、素晴らしい旅行でした。